いまに在るには

いまに在るには。

目に意識を注入しよう。

耳に意識を注入しよう。

鼻に、舌、皮膚に。

これらはいましか分からない。外の世界に、いま以外の風景、いま以外の音なんてものは存在しないからだ。

いま以外に浮気する唯一のものこそ、思考なのではないだろうかと僕は思う。思考だけは、いま以外に飛び出していくことが可能だ。

対して五感は決していま以外には飛び出さない。もし仮に、たとえば昔見た風景が目の前に現れたと感じたなら、その風景は思考の罠にはまってしまっていることをあなたに教える。記憶のみせる風景を「思い出している」に過ぎないことに気付こう。